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友が病んで

再発の 癌と闘ふ 友に会ひに 早朝発の 「のぞみ」に乗れり   (さいはつの がんとたたかふ ともにあひに そうちょうはつの のぞみにのれり)   お気楽な 主婦のランチと お茶の刻 であるかのごとく 病む友見舞ふ   (おきらくな しゅふのらんちと おちゃのとき であるかのごとく やむともみまふ)   たくさんに 孫や娘の 事話す 友は未来に ついては言はず   (たくさんに まごやむすめの ことはなす ともはみらいに ついてはいはず)       先に逝った友人もいます。 きれいに取れたはずの大腸癌が 5 年後に再発し 覚悟を決めていた友人でした。   お見舞いとは言わずにおしゃべりにいきましたが、 主婦が病むと自宅にうかがうのは遠慮で、近くのお店でした。

癌の宣告

生れしより 時限装置の あることを 癌の宣告 受けて悟りぬ (あれしより じげんそうちの あることを がんのせんこく うけてさとりぬ   子等のため 残すべきもの 選びつつ 思へば捨つる 物の多かり (こらのため のこすべきもの えらびつつ おもへばすつる もののおおかり)   身の内の 時限装置を 思ひつつ 雑事あれこれ 片づくる日々 (みのうちの じげんそうちを おもひつつ ざつじあれこれ かたづくるひび)       終活のはじめと、物を整理し始めたのですが何だかガラクタばかり・・・  

染付の器

残る日々 心に染むる 器のみ 身近に置きたし 選り分けて捨つ   (のこるひび こころにしむる うつはのみ みぢかにおきたし えりわけてすつ)   皿小鉢 選り分け取りて 並ぶれば 食器の棚は 青色に染む   (さらこばち えりわけとりて ならぶれば しょっきのたなは あおいろにそむ)   代々に 受け継ぎ残る 皿小鉢 祥瑞に偲ぶ 祖母の面影   (だいだいに うけつぎのこる さらこばち しょんずいにしのぶ そぼのおもかげ)       実家には祥瑞や金襴手の食器が数多くありましたが、 中でも祥瑞が祖母のお気に入りでした。きらきらしいものは嫌いだったようです。 そのほとんどは阪神の震災でなくなりましたが、新しく買う時もなぜか染付に惹かれます。  

心のさすらい

暗き道 暗き道へと 選びとる この吾が性は 何処より来しや (くらきみち くらきみちへと えらびとる このわがさがは いづこよりきしや)   ここじゃない ここじゃない場所 求め来し 宿命なるらむ 我がさすらひは (ここじゃない ここじゃないばしょ もとめきし さだめなるらむ わがさすらひは)   人が皆 実りの日々に 見えし時 吾がさすらひの 来し方思ふ (ひとがみな みのりのひびに みえしとき わがさすらひの きしかたおもふ)       どんな言いわけをしても不倫は不倫です。

妻ある人と

思ひきや 未だ残れる 恋力 燠火もいつか 焔となりぬ (おもひきや いまだのこれる こひぢから おきびもいつか ほむらとなりぬ)   吾がために 妻を欺き 出で来ませ 心震はせ 駅にて待てば (わがために つまをあざむき いできませ こころふるはせ えきにてまてば)   心をば 預けて溺れ 漂へば 果ては奈落と 決まりしものを (こころをば あずけておぼれ ただよへば はてはならくと きまりしものを)       私の方は離婚して十数年、 介護の必要な母や成人していてもまだ手許に子どもが二人、 ひとときの癒しを求めていただけでした。

夢まぼろし

取り交わす やさしき文は いにしへの 相聞歌なり メールにのせて ( とりかはす やさしき文は いにしへの さうもんかなり メールにのせて )   大いなる 手に守らるる 心地して 少女のごとく 一夜すごしぬ (おほいなる てにまもらるる ここちして しょうじょのごとく ひとよすごしぬ)   春うらら 霞のうちに 去りし人 夢まぼろしの 一夜残して (はるうらら かすみのうちに さりしひと ゆめまぼろしの ひとよのこして)       かれこれ一年近くメールや電話でのやり取りがあり ともに見たいものがあったのでお会いしましたが、 不思議な出会いになりました

バーチャルの世界

バーチャルの 仮面を脱ぎて 出逢ひたし 君を求める 心はリアル (バーチャルの かめんをぬぎて であひたし きみをもとめる こころはリアル)   メールといふ かぼそき糸の 向かうには 君の確かな 息づかひあり (メールといふ かぼそきいとの むかうには きみのたしかな いきづかひあり)   いかにせむ まだ見ぬ人に つのる思慕 心は既に 抜き差しならず (いかにせむ まだみぬひとに つのるしぼ こころはすでに ぬきさしならず)       愛しい方との出逢いは SNS でした なんか怪しい・・・と思われる方もあるでしょうが 昔も雑誌のペンパル求むってありましたよね